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2019年6月15日土曜日

ふとミミズ、ゾウリムシ、アリ、ナメクジの出現









家のリフォームに始まった家事の忙しさから、

ブログを更新することなく、2か月以上が過ぎ、

アナベルの咲く季節となりました。


その間の畑の様子はというと、

ホトケノザ、ヒメオドリコソウがこれまでに

見たことのない程の勢いで茂りました。


例年、地面を薄くカバーしていたオオイヌノフグリも

今年は、草丈を伸ばすことで

太陽の光を十分に受けようという

生き残り戦略を見せました。


ハコベは、他の雑草と競わないで済む

明るい場所で匍匐茎を広げています。


最近は、がっしりと根を張るカタバミが

円柱形の果実をつけているのが目立ちます。


つまり、我が家の炭素循環農法10年目の畑は、

放って置けば、これら数種の雑草と、

区画の周辺部分から地下茎で侵入してくる

ヤブガラシ、ヘクソカズラに埋もれ、

手の付けられない原になりかねない様相を呈しました。


こうなると、市民農園では、

草一つなく整然と管理された隣接区画への

気兼ねも出てきますし、

限られた雑草のみ生える畑になったと

ただ喜んでいる訳にもいかなくなります。


そこで、夏野菜の植え込みを機に、

刈り取ったり、抜き取ったりした山のような雑草を、

ブロッコリー、ルッコラといった、

冬越しの野菜残渣と共に、

発酵チップに代わる身近な炭素資材として、

畝や畝間に浅く混ぜたり、敷いたりしました。


その時点で、これらの生資材を消化できる

有用微生物に富んだ土壌ではなかったのでしょうか、

畑には、アリやゾウリムシ、ふとミミズやナメクジといった

土壌動物がこれまでに見ないほど大量に出現し、

赤く熟した苺、発芽したての野菜の新芽までに

酷い食害を及ぼしました。


処理した雑草と野菜残渣にまみれ躍動する、

本音を言ってしまえば、目障りな土壌動物達。

その光景は、それがいくら

活発な生命の営み、腐敗から発酵へと

繰り返される浄化作用と分かってはいても、

いかにも制御不能の様相と感じられ、呆然とした私は、

畑に通う意欲を失いかけてしまった程です。

そのような、言ってみれば、我慢の日々が

ここしばらくの間、続いています。



花をつけた春菊。我が家の畑では、多年草。

2019年3月16日土曜日

端境期の家庭菜園








畑が沈丁花の香りに包まれた一週間の農作業は、

サラダビーツ、ニンジン、ハツカダイコン、小松菜、

春播きホウレンソウ、ルッコラ等の種まきに終始しました。
 

畝の表面から10㎝程度の深さまでは、

太陽光と土の発酵状態が影響するのか、

ほかほかとした温かさが指に伝わる気持ちの良さです。

しかし、その更に下は、ひんやりとした湿り気に満ち、

この時期、土の中にも、

春と冬とが同居しているのが分かります。








区画の表面を覆い尽くすハコベ、ホトケノザ、

オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウの雑草四種ですが、

日に日に草勢を強めています。

これらの雑草にふさわしくない、荒々しいとの表現も

許されるほど。草丈も伸び、周りの人たちが

行き来するたび、目を丸くするような畑の景観です。



昨年移植した苺の畑では、なぜかハコベが主流。



永年作物というか白木瓜の根周りには、いつも雑草が集まっていますが、
今春は、ホトケノザが主役。


菜園中のテントウムシ全部が我が家の区画に避難して越冬したかのよう。
成虫から幼虫まで、今年は、見かける数が半端ではありません。


まだ一部しか収穫していないサトイモの畝には、相変わらず、
ヒメオドリコソウの群落が。



種を播くために畝から抜き取ったホトケノザの根は、

白い菌糸の絡みついたチップを抱え込み、

自らも菌糸を伸ばしています。






驚いたことに、炭素資材を投入することに気を配らない

ぶどう棚の下には、

畑とは全く異なる風景が繰り広げられています。

つまり、根粒菌との共生により生き残りを図ろうとする

カラスノエンドウが、こんもりと地表を覆い、

この場所で行われているのは、窒素循環でしょうか。







放りっぱなしのブラックベリーの根本もカラスノエンドウに覆われて。



ところで、端境期で収穫物の乏しい今の畑ですが、

気温の上昇とともに、

ブロッコリーの脇芽の花蕾が大きく成長し、

花が開いてしまわないうちにと、

この場所だけ、毎日、目が離せません。










年明けに種を播いた絹サヤは、芽を出したばかりですが、

寒い冬を越したスナップエンドウは、

すでに、たくさんの花をつけ始めました。




絹サヤの芽。



スナップエンドウの花。



やはり年越しのルッコラは、そのしっかりとした歯応えと

ゴマの風味が濃く、飽きの来ないサラダ食材です。

葉野菜・ハーブとあるので、中間的な存在なのでしょうか。

養分循環が順調な畑の土との相性は悪くなく、

無ければ淋しい、サニーレタスと共に、

我が家の食卓に欠かせない作物です。今作は、

食味、食感共によく、また、その状態を長く保っています。

この結果には、播種の時期が関係していそうですが、

これまでで最高のルッコラです。



ルッコラ。



太陽の光で葉に赤みを増したサニーレタス。



5,6年前、グループで新潟に旅行した際、

朝市を楽しみ、買い求めた分葱ですが、放っておいても

毎年、芽を出し、その若々しい色合いと線の鋭さは、

見て良し、食べて良し、元気を貰います。



分葱。



沈丁花と同じく、鉛筆一本程のか細い挿し木を畑に移植した

バラ科の白木瓜。住み心地がよほど良かったのか、

区画のほぼ中央で大きく育ち、蕾をぎっしりとつけながら、

しかし、控え目に清々しい香りを周囲に漂わせています。

伸ばしすぎた枝をその都度じゃけんに切り落としますが、

素手で作業する私の指は、その鋭い棘で生傷が絶えません。













2019年2月28日木曜日

無肥料・無農薬・水やり要らず 炭素循環農法の薔薇(その9)




無肥料・無農薬の畑に移植して1年目、2017年5月の開花。




香りが強いわけでもなく、

一時夢中になったイングリッシュローズでもないこのバラが

我が家に来たいきさつについては、全く記憶にありません。

花の名前も定かではなくなっていましたが、

輝葉であること、花が鮮やかなピンクであること、

高芯咲きであることの三点を特徴として

ネットで検索した結果、

どうやらメイアン社のマヌウメイアンに近いようです。

ジュリア、ペネロペの無肥料・無農薬栽培への

めざましい適応ぶりを確認したうえで、三番目として、

自宅の鉢植えで、酷い状態になっていたこの薔薇を

畑に移しました。




2017年5月、無肥料・無農薬になり、
元気を取り戻しつつある株の様子。



畑のスペースが限られているため、

ペネロペの向かって左隣、葡萄棚の下に移植しましたが、

思いのほか勢い旺盛な葡萄の葉の陰になり、

先の二本のような驚くほどの成長ぶりは、

見せることが出来ないでいました。

満足な養分循環のためには、

地下の微生物叢が豊かになってきてはいても、地上の

植物自身の光合成が欠かせないことが考えられます。

それで、2月17日に葡萄棚の手前、日当たりの良い

ジュリアの隣に引っ越しさせることにしました。




2019年2月17日。剪定と移植直前の様子。








話は変わりますが、同じバラ科の果樹、

リンゴの無農薬栽培に挑戦した木村秋則さんは、

無農薬リンゴの実現が難しい最大の理由を、

「品種改良」としていました。

以下、その内容のポイントの部分を

『奇跡のリンゴ』より引用します。


農薬の存在しない時代には、たとえ品種改良で
甘いリンゴを実らせる木が生まれたとしても、
その木が病害虫に弱ければ、育つことは出来なかった。
ところが農薬の出現とともに、その制約が外されることになる。
病害虫に対する耐性を考えずに、より大きく、より甘いリンゴを
実らせる木を作ることだけを目的とした品種改良ができるようになった。
つまり、(リンゴは、)農薬を前提に品種改良された品種なのだ。
そして、その引き換えとして、リンゴは野生の力を失った。
農薬の助けなしには病害虫と戦うことのできない、
極めて弱い植物になってしまったというわけだ。

リンゴという果物は、農薬に深く依存した、
現代農業の象徴的存在なのだ。

現代のリンゴは、ひと昔前のリンゴとは全くの別物なのだ。
農薬を使わずにリンゴを育てるなんて、
世迷言意外の何物でもない。(『奇跡のリンゴ』25~29頁)





試し食いのような虫食い痕が葉の一、二か所に、また、葉2枚に黒点病がそれぞれ一か所ずつ
見られます。しかし、虫食いと病害は、それ以上の広がりを見せず、
2月17日現在、葉は、昨年の台風以来、一枚も落としていません。




薔薇は、果樹ではありませんが、リンゴ以上に

「品種改良」を重ねてきた栽培品種です。

とある総合園芸通販サイトには、「品種改良」について

リンゴと似通った記述が見られます。


自然界のバランスが崩れている
人間の生活圏内で栽培される植物は、
病害虫の被害に遭いやすくなります。
また、品種改良を重ねて生まれた植物は
本能的に持っている耐性を失うことが多く、

病気にかかりやすくなることも。
絶対病気にならない人間がいないように、

病気にならないバラはありません。
特にバラは一部の原種を除き、薬剤散布なしでは、
必ずといえるほど病害虫の被害に遭います。


けれども、以上、二つの記述とは裏腹に、

無肥料、無農薬、水やり無しの我が家の畑において、

品種改良を重ねて生み出されたはずのジュリアと

ペネロペが、たった数年の間に野生の力強さを取り戻し、

病害虫の被害を跳ね返しながら、

極めて健康に育っているのは、まぎれもない事実です。

ですから、炭素循環農法で育つ薔薇は、

パラダイムシフトの薔薇と呼ばれるのに

ふさわしいと思うのです。




移植後の薔薇。左奥にみえるのは、剪定の終わったジュリア。



さて、今回の畑内での移植ですが、地下の直根が

地中に真っすぐ、長く伸びていたため、

薔薇を掘り出すのには、とても気を使いました。

しかし、掘り上げた後は、新しい場所に植穴を掘り、

十分な潅水をしてから、そこに薔薇を植え戻し、

地表の根本、半径30㎝の範囲に発酵チップを

厚さ15㎝程ばら撒いただけの簡単さです。








移植する前の場所では、薔薇の根元にフキノトウが

顔を出していました。




薔薇の根に白いフキノトウの根がからみつく様子。



掘り上げた薔薇の根には、蕗の根が絡んでいます。

そして、薔薇ではなく、

フキノトウの根に白い糸状菌の塊が目立ちました。

















つまり、ここでも微生物は、葉は残していても、

本来活動休眠中である薔薇よりも

旬のフキノトウとの共生をはっきりと見せています。




2019年2月22日金曜日

サトイモとスナップエンドウの連作



鎌倉に古くからの良心的な業者がみつかり、

10日間のリフォーム工事が終わった2月17日の午後、

久しぶりの畑に着くと、ローズマリーの花が満開でした。


この地中海原産のハーブの開花が、

冬から春にかけてということは、知られていますが、

2月15日の横浜の最低気温1.8℃、最高気温5.4℃、

翌16日のそれぞれは、3.3℃と11.3℃でした。

まさに、両日を境として、

季節は、冬から春へと大きく動いた感があります。




ローズマリーの属名Rosmarinusの意味は、「海のしずく」。
花が可食ということは、あまり知られていないようです。




大切に保存を重ねた種イモを用い、連作してきた

炭素循環農法のサトイモですが、

年を増すごとに型も味も素晴らしい進化をみせ、

今では畑の自慢できる優等生です。

そのサトイモを事情があり、昨年、区画の奥から

通路側の畝三列に移しました。



新たな場所での生育状態が気になり、

注意深く様子を見守っていましたが、残念なことに、

昨年9月末、関東地方を襲った台風により、

順調に育っていた葉のほぼ半分を塩害で失いました。

同窓会の秋のバザーに出品する気持ちも失せ、

ただ枯れた葉を刈り取った状態で年を越しました。




2018年12月のサトイモ畑。畝間に投入してあるのは、
自宅の白樫の剪定枝です。



そのサトイモ畑の表面は、昨冬より、越年一年草である

ヒメオドリコソウの群落に覆われています。



2019年2月のサトイモ畑。


そして、17日に、まず掘り上げた三株の出来はというと、

想像していた程悪くはなく、芋の数が少なめですが、

まあまあの状態といったところでしょうか。














通りかかった畑の大家さんは、

「うちよりいいよ。立派だね。」と言ってくれました。

自宅に持ち帰り、調理すると、

夫は、柔らかく、味は、昨年より更に良いと言っています。








掘り上げた後の土に目を向けると、

写真では分かりにくいですが、

白く、細かく、ちぎれたような糸状菌が

あたり一面に散らばっています。今年からは、この場所で

サトイモの連作を再開する予定です。









ローズマリーの大株の裏には、昨年12月の始めに

種を蒔いたスナップエンドウが育っています。











霜よけとして、畑のミソハギの枯れ枝や、近くの原から
切り出した、笹の細い枝をさします。
当たり前のことですが、播種と同時に枝をさしておいたほうが、
根を傷めずにすみます。



実は、一昨年の冬もこの場所に種を蒔きました。

炭素循環農法では、慣行とは真逆に、

作物は、連作すればするほど

その出来が良くなると言われています。

サトイモを一例として、我が家の畑でも、

ほとんどの作物に連作を心がけていますが、

例外として、マメ科作物は、連作しないほうが良いと

言われています。そのことを、確かめてみたくなり、

今回のスナップエンドウは、前回と同じ畝での連作です。




生育の良くないスナップエンドウ。



そして結果はというと、種を蒔いた6箇所のうち、

すぐ上の写真にみるように、現在のところ、

明らかに、中2箇所の生育状態が思わしくありません。

植穴が前回と20㎝~30㎝ずれたエンドウは、

同じ連作畝でも普通に花を咲かせ始めている

といった状況ではないかと考えられます。


目を凝らすと、我が家の区画で越年したテントウムシが

ホトケノザの中、活発に動き始めています。



実は、炭素循環農法では、「奇跡のリンゴ」の

木村さんの自然栽培とは異なり、地上の昆虫や小動物の

食物連鎖に手助けしてもらうという考えはありません。

畑で炭素循環農法での養分循環が順調に始まれば、

その畑の作物に虫はつかないことを前提としています。

ですから、虫が食べる作物は、全部虫に食べてもらおう。

それらは、まだ、成分的に、

人間が食べるのに適した作物ではないという考えです。

それでも、畑の生物の様子は、私の興味を引きます。








ミソハギの枯れ枝には、

カマキリの卵鞘が3~4個見られます。

その卵鞘ですが、卵と同時に分泌される粘液が

泡立って形成されるそうです。そして、

1頭のメスが生涯に数個程度産むと言われる

一つの卵鞘には、数百個の卵が含まれるそうです。

いずれも子孫を残すための

二重、三重のカマキリの戦略ですね。







帰り際に通りかかった畑の隅には、

お仏壇に供えるため種を蒔いたキンセンカが

オレンジ色の小さい蕾を見せていました。








追記

ここでの「連作」とは、毎年、同じ場所に同じ野菜を栽培するの意で使用しています。
家庭菜園の限られた面積ですので、例えば、トマト、ナスなどの収穫後には、
翌年の作付けまで葉物、ブロッコリー、カリフラワーなど植えます。