2019年3月16日土曜日

端境期の家庭菜園








畑が沈丁花の香りに包まれた一週間の農作業は、

サラダビーツ、ニンジン、ハツカダイコン、小松菜、

春播きホウレンソウ、ルッコラ等の種まきに終始しました。
 

畝の表面から10㎝程度の深さまでは、

太陽光と土の発酵状態が影響するのか、

ほかほかとした温かさが指に伝わる気持ちの良さです。

しかし、その更に下は、ひんやりとした湿り気に満ち、

この時期、土の中にも、

春と冬とが同居しているのが分かります。








区画の表面を覆い尽くすハコベ、ホトケノザ、

オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウの雑草四種ですが

日に日に草勢を強めています。

これらの雑草にふさわしくない、荒々しいとの表現も

許されるほど。草丈も伸び、周りの人たちが

行き来するたび、目を丸くするような畑の景観です。



昨年移植した苺の畑では、なぜかハコベが主流。



永年作物というか白木瓜の根周りには、いつも雑草が集まっていますが、
今春は、ホトケノザが主役。


菜園中のテントウムシ全部が我が家の区画に避難して越冬したかのよう。
成虫から幼虫まで、今年は、見かける数が半端ではありません。


まだ一部しか収穫していないサトイモの畝には、相変わらず、
ヒメオドリコソウの群落が。



種を播くために畝から抜き取ったホトケノザの根は、

白い菌糸の絡みついたチップを抱え込み、

自らも菌糸を伸ばしています。






驚いたことに、炭素資材を投入することに気を配らない

ぶどう棚の下には、

畑とは全く異なる風景が繰り広げられています。

つまり、根粒菌との共生により生き残りを図ろうとする

カラスノエンドウが、こんもりと地表を覆い

この場所で行われているのは、窒素循環でしょうか。







放りっぱなしのブラックベリーの根本もカラスノエンドウに覆われて。



ところで、端境期で収穫物の乏しい今の畑ですが、

気温の上昇とともに、

ブロッコリーの脇芽の花蕾が大きく成長し、

花が開いてしまわないうちにと、

この場所だけ、毎日、目が離せません。










年明けに種を播いた絹サヤは、芽を出したばかりですが、

寒い冬を越したスナップエンドウは、

すでに、たくさんの花をつけ始めました。




絹サヤの芽。



スナップエンドウの花。



やはり年越しのルッコラは、そのしっかりとした歯応えと

ゴマの風味が濃く、飽きの来ないサラダ食材です。

葉野菜・ハーブとあるので、中間的な存在なのでしょうか。

養分循環が順調な畑の土との相性は悪くなく、

無ければ淋しい、サニーレタスと共に、

我が家の食卓に欠かせない作物です。今作は、

食味、食感共によく、また、その状態を長く保っています。

この結果には、播種の時期が関係していそうですが、

これまでで最高のルッコラです。



ルッコラ。



太陽の光で葉に赤みを増したサニーレタス。



5,6年前、グループで新潟に旅行した際、

朝市を楽しみ、買い求めた分葱ですが、放っておいても

毎年、芽を出し、その若々しい色合いと線の鋭さは、

見て良し、食べて良し、元気を貰います。



分葱。



沈丁花と同じく、鉛筆一本程のか細い挿し木を畑に移植した

バラ科の白木瓜。住み心地がよほど良かったのか、

区画のほぼ中央で大きく育ち、蕾をぎっしりとつけながら、

しかし、控え目に清々しい香りを周囲に漂わせています。

伸ばしすぎた枝をその都度じゃけんに切り落としますが、

素手で作業する私の指は、その鋭い棘で生傷が絶えません。