市民農園は、区画のあちらこちらに
赤や黄色の小菊が咲いて、静かな秋の佇まいです。
我が家の小菊は、白とピンクの二種。
中でも、白い小菊は、写真に撮ると、透明感が際立ち、
見ていて飽きることがありません。
日本の気候風土に合っているのか、生育旺盛、極めて丈夫、
この時期、夫の両親に供える仏壇花として重宝します。
夏の間、カタバミに覆われていた畑は、このところ、
ホトケノザ、ハコベといった越年一年草へのバトンタッチが
慌ただしく行われています。
苺とカタバミとホトケノザ。 |
「芹なずな 御形はこべら 仏の座 すずなすずしろ
これぞ七草」と和歌に詠われる仏の座は、
本来、黄色の花を咲かせるキク科のコオニタビラコのことで、
私達がホトケノザと呼ぶ、薄紫の花を咲かせる雑草は、
実は、シソ科のサンガイグサ(三階草)です。
元々のコオニタビラコは、
てんぷらなどにして食べられるようですが、
サンガイグサ(以下、ホトケノザ)は、
有毒で、食用には適さないと言われています。
日当たりの良い肥沃な土壌に育ちます。
苺とホトケノザ。 |
毎年、春の終わりになると、うどん粉病に罹り易くなり、
見た目が悪いホトケノザですが、
ホトケノザうどん粉病菌は、畑では、
キュウリ以外には、伝染しないで、
キュウリとホトケノザとの間を行き来するということを
最近になって、初めて知りました。
ホトケノザに少し遅れて芽を出したハコベは、
小学校で飼っていたウサギの食べ物で、当番になると、
友達と近くの野原で摘み、食べさせた記憶があります。
苺とカタバミとハコベ。 |
ハコベの花が咲く頃、その茎葉を刈り取り、天日で干し、
粉末にしたものに塩を混ぜたものを
江戸時代より「ハコベ塩」と呼んでいたそうです。
今日、この秋初めてのハコベの花。 |
「ハコベ塩」で歯を磨き、歯茎をマッサージし、
歯茎からの出血、歯槽膿漏の予防に用いたそうですから、
「ハコベ塩」は、歯磨き粉の元祖と言えなくもありません。
大阪で和漢薬の製造販売を営んでいた安田屋という店が、
その後、ハコベ塩歯磨き本舗と名を替え、
現在もなお、製造販売中だそうです。
https://www.okeihan.net/navi/famous/famous48.php
話は変わりますが、最近、畑の苺の葉に、
白い縁取りのような線を見かけます。簡単に調べると、
この白い縁取りは、苺自身が、夜間、糖分の多い溶液を
出しているためで、苗が元気な証拠になるそうです。