2019年2月22日金曜日

サトイモとスナップエンドウの連作



鎌倉に古くからの良心的な業者がみつかり、

10日間のリフォーム工事が終わった2月17日の午後、

久しぶりの畑に着くと、ローズマリーの花が満開でした。


この地中海原産のハーブの開花が、

冬から春にかけてということは、知られていますが、

2月15日の横浜の最低気温1.8℃、最高気温5.4

翌16日のそれぞれは、3.3℃と11.3℃でした。

まさに、両日を境として、

季節は、冬から春へと大きく動いた感があります。




ローズマリーの属名Rosmarinusの意味は、「海のしずく」。
花が可食ということは、あまり知られていないようです。




大切に保存を重ねた種イモを用い、連作してきた

炭素循環農法のサトイモですが、

年を増すごとに型も味も素晴らしい進化をみせ、

今では畑の自慢できる優等生です。

そのサトイモを事情があり、昨年、区画の奥から

通路側の畝三列に移しました。



新たな場所での生育状態が気になり、

注意深く様子を見守っていましたが、残念なことに、

昨年9月末、関東地方を襲った台風により、

順調に育っていた葉のほぼ半分を塩害で失いました。

同窓会の秋のバザーに出品する気持ちも失せ、

ただ枯れた葉を刈り取った状態で年を越しました。




2018年12月のサトイモ畑。畝間に投入してあるのは、
自宅の白樫の剪定枝です。



そのサトイモ畑の表面は、昨冬より、越年一年草である

ヒメオドリコソウの群落に覆われています。



2019年2月のサトイモ畑。


そして、17日に、まず掘り上げた三株の出来はというと、

想像していた程悪くはなく、芋の数が少なめですが、

まあまあの状態といったところでしょうか。














通りかかった畑の大家さんは、

「うちよりいいよ。立派だね。」と言ってくれました。

自宅に持ち帰り、調理すると、

夫は、柔らかく、味は、昨年より更に良いと言っています。








掘り上げた後の土に目を向けると、

写真では分かりにくいですが、

白く、細かく、ちぎれたような糸状菌が

あたり一面に散らばっています。今年からは、この場所で

サトイモの連作を再開する予定です。









ローズマリーの大株の裏には、昨年12月の始めに

種を蒔いたスナップエンドウが育っています。











霜よけとして、畑のミソハギの枯れ枝や、近くの原から
切り出した、笹の細い枝をさします。
当たり前のことですが、播種と同時に枝をさしておいたほうが、
根を傷めずにすみます。



実は、一昨年の冬もこの場所に種を蒔きました。

炭素循環農法では、慣行とは真逆に、

作物は、連作すればするほど

その出来が良くなると言われています。

サトイモを一例として、我が家の畑でも、

ほとんどの作物に連作を心がけていますが

例外として、マメ科作物は、連作しないほうが良いと

言われています。そのことを、確かめてみたくなり、

今回のスナップエンドウは、前回と同じ畝での連作です。




生育の良くないスナップエンドウ。



そして結果はというと、種を蒔いた6箇所のうち、

すぐ上の写真にみるように、現在のところ、

明らかに、中2箇所の生育状態が思わしくありません。

植穴が前回と20㎝~30㎝ずれたエンドウは、

同じ連作畝でも普通に花を咲かせ始めている

といった状況ではないかと考えられます


目を凝らすと、我が家の区画で越年したテントウムシが

ホトケノザの中、活発に動き始めています。



実は、炭素循環農法では、「奇跡のリンゴ」の

木村さんの自然栽培とは異なり、地上の昆虫や小動物の

食物連鎖に手助けしてもらうという考えはありません。

畑で炭素循環農法での養分循環が順調に始まれば、

その畑の作物に虫はつかないことを前提としています。

ですから、虫が食べる作物は、全部虫に食べてもらおう。

それらは、まだ、成分的に、

人間が食べるのに適した作物ではないという考えです。

それでも、畑の生物の様子は、私の興味を引きます。








ミソハギの枯れ枝には、

カマキリの卵鞘が3~4個見られます。

その卵鞘ですが、卵と同時に分泌される粘液が

泡立って形成されるそうです。そして、

1頭のメスが生涯に数個程度産むと言われる

一つの卵鞘には、数百個の卵が含まれるそうです。

いずれも子孫を残すための

二重、三重のカマキリの戦略ですね。







帰り際に通りかかった畑の隅には、

お仏壇に供えるため種を蒔いたキンセンカが

オレンジ色の小さい蕾を見せていました。








追記

ここでの「連作」とは、毎年、同じ場所に同じ野菜を栽培するの意で使用しています。
家庭菜園の限られた面積ですので、例えば、トマト、ナスなどの収穫後には、
翌年の作付けまで葉物、ブロッコリー、カリフラワーなど植えます。