2020年7月24日金曜日

梅雨空の下の炭素循環農法家庭菜園(その2)



関東、東北の太平洋側を中心に

全国で日照不足が続いています。

新聞によると、6月下旬からの日照時間が

平年の4割にとどまる地域もあるとのこと、

実感はしていても、

その極端な数字には、考えさせられてしまいます。



この時期貴重な長ナスの実。



連作で問題のないどころか年々調子のよいナスです。

しかし、さすがに、最近の極端な日照不足には勝てず

まともな形で収穫できるのは、2、3日に一回、

9本の苗木から3~4個といった収穫の少なさです。

果皮まで柔らか、美味といったクオリティは、

例年と変わりませんが、

実がついてから太るのに随分と時間がかかっています。



ナスの根本に落花生の花。



キュウリは、コロナの影響で、時間に余裕ができ、

剪定をていねいに心掛けたせいでしょうか、

実がなりだした当初は、順調に収穫できていました。

しかし、やはり、降り続く雨のせいで、

べと病が速く広がり、夏本番が始まる前に

すでに、3本撤去しています。

かろうじて残った一本は、風通しが良かったようです。

取り除いた病気の葉は、いつもどおり、

畝間に置いたままの状態です。



たった一本残ったキュウリ。



残ったキュウリの数少ない花が無事実になれるのかは、

やはり、今後のお天気次第です。



キュウリの花。



夏の間の数少ない葉物としてポットで育苗し、

やっとのことで畑に移植したツルムラサキは、

幼苗の成長が全く止まってしまっています。

今年初めて試みた、ナスのさし芽も同様です。



つる紫の幼苗。葉の色も弱弱しい。




親株から切り取った脇芽を直接畝にさしたナスのさし芽。



ジャガイモを連作している畝が

秋じゃがの植え付けまで、空きますから、

有効利用を考え、暑さに強い品種と言われる

小松菜の種を播きました。こちらのほうは、この時期、

驚くほどの速さで、2日目には芽が出そろっています。



暑さに強い品種、サカタの「きよすみ」。


ところで、畝の手入れをしながら、ふと見ると、

背丈の伸びたカタバミの茂みの中、

湿った発酵チップの層の表面に

数種のキノコが顔をみせています。






キノコは、カビの仲間の担子菌、

子嚢菌がつくる生殖器官です。

それで、地表に出たキノコを花に例えるとすると、

枝葉、根に相当する菌糸本体の部分は、

目に見えない土壌やチップの内部に綿状、

あるいは、蜘蛛の巣状となって広がっています。

それらは、チップなどの炭素資材に含まれるリグニン、

セルロースなどの難分解物質を分解しながら

体内に取り込み

畑の中で栄養成長を繰り返しています。

菌糸の密度が高くなり、

温度や湿度などの環境条件が整うと、

初めてキノコが形成されるのです。そして、

菌糸から供給される養分で急速に成熟したキノコは

今度は、植物の種子にあたる胞子を飛散させ、

子孫繁栄を図ります。






このようにして、キノコが頻繁に見られるのは、

炭素を軸とした物質循環が活発に行われ、

生命力に満ち溢れる、炭素循環農法の畑の特徴です。