関東、東北の太平洋側を中心に
全国で日照不足が続いています。
新聞によると、6月下旬からの日照時間が
平年の4割にとどまる地域もあるとのこと、
実感はしていても、
その極端な数字には、考えさせられてしまいます。
連作で問題のないどころか年々調子のよいナスです。
しかし、さすがに、最近の極端な日照不足には勝てず、
まともな形で収穫できるのは、2、3日に一回、
9本の苗木から3~4個といった収穫の少なさです。
果皮まで柔らか、美味といったクオリティは、
例年と変わりませんが、
実がついてから太るのに随分と時間がかかっています。
キュウリは、コロナの影響で、時間に余裕ができ、
剪定をていねいに心掛けたせいでしょうか、
実がなりだした当初は、順調に収穫できていました。
しかし、やはり、降り続く雨のせいで、
べと病が速く広がり、夏本番が始まる前に
すでに、3本撤去しています。
かろうじて残った一本は、風通しが良かったようです。
取り除いた病気の葉は、いつもどおり、
畝間に置いたままの状態です。
残ったキュウリの数少ない花が無事実になれるのかは、
やはり、今後のお天気次第です。
夏の間の数少ない葉物としてポットで育苗し、
やっとのことで畑に移植したツルムラサキは、
幼苗の成長が全く止まってしまっています。
今年初めて試みた、ナスのさし芽も同様です。
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つる紫の幼苗。葉の色も弱弱しい。 |
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親株から切り取った脇芽を直接畝にさしたナスのさし芽。 |
ジャガイモを連作している畝が
秋じゃがの植え付けまで、空きますから、
有効利用を考え、暑さに強い品種と言われる
小松菜の種を播きました。こちらのほうは、この時期、
驚くほどの速さで、2日目には芽が出そろっています。
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暑さに強い品種、サカタの「きよすみ」。 |
ところで、畝の手入れをしながら、ふと見ると、
背丈の伸びたカタバミの茂みの中、
湿った発酵チップの層の表面に
数種のキノコが顔をみせています。
キノコは、カビの仲間の担子菌、
子嚢菌がつくる生殖器官です。
それで、地表に出たキノコを花に例えるとすると、
枝葉、根に相当する菌糸本体の部分は、
目に見えない土壌やチップの内部に綿状、
あるいは、蜘蛛の巣状となって広がっています。
それらは、チップなどの炭素資材に含まれるリグニン、
セルロースなどの難分解物質を分解しながら
体内に取り込み、
畑の中で栄養成長を繰り返しています。
菌糸の密度が高くなり、
温度や湿度などの環境条件が整うと、
初めてキノコが形成されるのです。そして、
菌糸から供給される養分で急速に成熟したキノコは、
今度は、植物の種子にあたる胞子を飛散させ、
子孫繁栄を図ります。
このようにして、キノコが頻繁に見られるのは、
炭素を軸とした物質循環が活発に行われ、
生命力に満ち溢れる、炭素循環農法の畑の特徴です。