気候変動と一言で言われますが、
2020年の梅雨の雨風の激しさには、
特別なものがあります。日本各地で川の氾濫、
土砂崩れなどが短時間のうちに発生し、
多くの方々が被災されました。
2月からのコロナウイルスの感染拡大と共に、
環境破壊に起因する将来への不安が高まります。
離れて住む家族、友人、知人の無事を想い、
緊張を強いられることの多い毎日ですが、
曇り空の下、菜園のオレガノの蕾が膨らみ、
辺りをモンシロチョウが飛び交う光景は、長閑で、
疲れた心をほっと癒してくれます。
オレガノは、菜園随一の蜜源植物です。
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オレガノの蕾 |
オレガノの蕾の紅紫に触発され、ミソハギはと目をやると、
知らない間に、やはり、蕾をつけ始めています。
たった30坪の家庭菜園ではありますが、
作業に集中していると、
見落としてしまうことも多いのです。
オレガノもミソハギもこの菜園で10年育つ多年草です。
四方八方、自由自在に繁殖を続け、
野菜のスペースを脅かします。
しかし、花には花の役割があります。
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ミソハギの蕾 |
うっとうしく降り続く雨には、正直、うんざりしますが、
その雨も悪いことばかりではありません。
5月の連休に苗を移植し、無施肥と水やり無しで育った
小ぶりな夏野菜たち。梅雨に入ると、その途端、
周りの慣行に負けず劣らない生育ぶりを見せ始めます。
水分の問題と関係するのかもしれませんが、
土壌の生態系もこの時期、
落ち着きをとりもどすのだと思います。
大玉トマト二種、桃太郎、麗夏も、
すでに、三段目の収穫が始まりました。
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桃太郎 |
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麗夏 |
園芸作物の中でも最も人気が高いと言われるトマトです。
種苗業界においても品種開発の競争が激しいと聞きます。
その結果、種類が多くなり、
私もミニトマトの選択には、毎年頭を悩ませます。
今年は、園芸店の売り場正面に置かれた
トキタのサンチェリーを育てています。
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サンチェリー |
このミニトマトは、フルーツトマトのような
甘みを求めるむきには、物足りないかもしれません。
しかし、酸味と甘みのバランスがまろやかで上品。
トマト本来の味が楽しめます。
特に、外見は、クチクラ層が厚いのか、
まるで真珠のように内部から染み出る輝きがあります。
しっかりと見える果皮も噛めば、
想像していたより柔らか、食べ心地の良いトマトです。
クチクラ層は、植物が水中から陸上へと移動した際、
新しい環境に適応するために獲得した組織です。
外界と接する一番外側にあって、
風雨や乾燥、紫外線、病原菌や害虫から
植物を守る役割を果たします。
トマトの裂果についても、クチクラ層の強度が重要で、
クチクラ層の強度はその厚さと相関するそうです。
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収穫したサンチェリー |
私は、毎年、梅雨の間の作業として、
トマトの脇芽をとり、畝に直接さして株を増やします。
ご近所への夏野菜のお裾分けに、赤いトマトがなければ、
淋しいですし、実が余ったとしても冷凍して、
カレーや̪シチュウ、スープやみそ汁に使えば、良いのです。
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さし芽したミニトマト |
菜園の畳三畳分を占有するアナベルの花も
そろそろ終わりの気配です。
作業の帰りに根本から数本切り取り、
自宅に持ち帰りました。
水揚げをていねいにしてあげれば、3日はもつでしょう。
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アナベルの花 |