2020年7月13日月曜日

梅雨空の下 炭素循環農法家庭菜園(その1)



気候変動と一言で言われますが、

2020年の梅雨の雨風の激しさには、

特別なものがあります。日本各地で川の氾濫、

土砂崩れなどが短時間のうちに発生し、

多くの方々が被災されました。

2月からのコロナウイルスの感染拡大と共に、

環境破壊に起因する将来への不安が高まります。


離れて住む家族、友人、知人の無事を想い、

緊張を強いられることの多い毎日ですが、

曇り空の下、菜園のオレガノの蕾が膨らみ、

辺りをモンシロチョウが飛び交う光景は、長閑で、

疲れた心をほっと癒してくれます。

オレガノは、菜園随一の蜜源植物です。



オレガノの蕾



オレガノの蕾の紅紫に触発され、ミソハギはと目をやると、

知らない間に、やはり、蕾をつけ始めています。

たった30坪の家庭菜園ではありますが、

作業に集中していると、

見落としてしまうことも多いのです。


オレガノもミソハギもこの菜園で10年育つ多年草です。

面白がって放っておけば、地下茎を伸ばし、

四方八方、自由自在に繁殖を続け、

野菜のスペースを脅かします。

しかし、花には花の役割があります。



ミソハギの蕾



うっとうしく降り続く雨には、正直、うんざりしますが、

その雨も悪いことばかりではありません。

5月の連休に苗を移植し、無施肥と水やり無しで育った

小ぶりな夏野菜たち。梅雨に入ると、その途端、

周りの慣行に負けず劣らない生育ぶりを見せ始めます

水分の問題と関係するのかもしれませんが、

土壌の生態系もこの時期、

落ち着きをとりもどすのだと思います。


大玉トマト二種、桃太郎、麗夏も

すでに、三段目の収穫が始まりました。



桃太郎




麗夏



園芸作物の中でも最も人気が高いと言われるトマトです。

種苗業界においても品種開発の競争が激しいと聞きます。

その結果、種類が多くなり、

私もミニトマトの選択には、毎年頭を悩ませます。

今年は、園芸店の売り場正面に置かれた

トキタのサンチェリーを育てています。



サンチェリー



このミニトマトは、フルーツトマトのような

甘みを求めるむきには、物足りないかもしれません。

しかし、酸味と甘みのバランスがまろやかで上品。

トマト本来の味が楽しめます。

特に、外見は、クチクラ層が厚いのか、

まるで真珠のように内部から染み出る輝きがあります。

しっかりと見える果皮も噛めば、

想像していたより柔らか、食べ心地の良いトマトです。


クチクラ層は、植物が水中から陸上へと移動した際、

新しい環境に適応するために獲得した組織です。

外界と接する一番外側にあって、

風雨や乾燥、紫外線、病原菌や害虫から

植物を守る役割を果たします。

トマトの裂果についても、クチクラ層の強度が重要で、

クチクラ層の強度はその厚さと相関するそうです。




収穫したサンチェリー



私は、毎年、梅雨の間の作業として、

トマトの脇芽をとり、畝に直接さして株を増やします。

ご近所への夏野菜のお裾分けに、赤いトマトがなければ、

淋しいですし、実が余ったとしても冷凍して、

カレーや̪シチュウ、スープやみそ汁に使えば、良いのです。



さし芽したミニトマト



菜園の畳三畳分を占有するアナベルの花も

そろそろ終わりの気配です。

作業の帰りに根本から数本切り取り、

自宅に持ち帰りました。

水揚げをていねいにしてあげれば、3日はもつでしょう。




アナベルの花