2020年6月13日土曜日

炭素循環農法の家庭菜園に育つ多年性植物



宿根カスミソウとその手前のミソハギ



葡萄棚の中央手前に位置する宿根カスミソウは、

直径1.5メートルほどにも枝を広げながら

初夏の風にゆったりと吹かれています。

そのカスミソウの旺盛な生育を邪魔しないよう、

今年私は、隣のミソハギの新芽を

随分と引き抜かなければなりませんでした。そして、

カスミソウが地際から広げる何本もの茎の要所要所に、

その純白の花の美しさを損ねないよう、

笹竹の短い支柱をポンポン刺しました。




一本の苗がこのボリューム



宿根カスミソウもミソハギも多年性植物の仲間です。

その多年性植物ですが、カスミソウ、ミソハギに限らず、

炭素循環農法の土壌での生育には、

人の目を剥く素晴らしさがあります。


8年ほど前、品川から畑にお嫁入した北米産のアナベル。

この花は、当時、私の憧れのアジサイでしたが、

一本の挿し芽から畳三枚ほどにも大きく育ちました。

これまで、10数人の知り合いに根付きで渡りましたが、

毎年、地下茎を四方八方に伸ばすその勢いは、

止まるところを知りません。



今年も咲き始めたアナベル



林檎の花に似て、微かにピンクを帯びる白花と、

濃い緑の葉との色のコントラストが素敵なブラックベリー。



ブラックベリーの花



小さく可愛らしい花びらは、ほんの数日で散らせてしまい、

実の正体を顕します。







昨秋、数年ぶりに頑張って植え替えを行った苺は、

私の畑の名物ですが、

葉のギザギザの部分が白く縁どりされています。

 以前にも書きましたが、この白い縁どりは、苺自身が夜間、

葉の内部から糖分の多い液を出す、その液の跡です。

元気な根がしっかりと働いて、

土壌の水分を吸い上げている目視可能な証拠です。

農家では良い苺をつくるための条件と

言われることもあるそうです。








ところで、葉茎の成長の勢いが強すぎたのかどうか、

移植後の今年の春、肝心の苺の花は例年と比較すると、

明らかに数が少ないまま梅雨入りを迎えています



苺の花



これまでの経験から、炭素循環農法の家庭菜園において、

年毎の苗の更新は不要ではないか、というのが私の印象です。

苺苗に病気が出たことはありませんし、

ほったらかしで触らずにいると、

2年目には大株に成長します。

大株になれば、一株に生る実の数も増え、

大きく充実する実も多々みられます。

ですので、昨秋更新した苺の次回植え替えは、

来年を予定し、不要となるループは、

畑作業の合間に惜しげなく摘み取り、

ハサミでチョキチョキ細かく切りながら、

畝間に播いて微生物のエサにしていきます。



青みがかったピンクのベルガモットは、

シソ科の多年生草本。

        独立戦争の前後、お茶が不足したアメリカで、

代用品のハーブティーとして重宝されたそうです。

 養蜂家の蜜源植物としても知られ、

Bee  Balm(ビーバーム)とも呼ばれるのは、

そのためだそうです。

随分と大株に育ち、アナベルが来る前は、

畑のランドマーク的存在でしたが、嫌地現象からか、
 
一時、衰退していきました。

しかし、種を飛ばしたのか、同じく多年性の

ローズマリーの陰から、再度、花を咲かせています。




ベルガモット



        亡くなった両親が東京から長野に移ってからは、

自宅のある横浜から富士の裾野を抜け、

大月から中央道へのルートで何回も通いました。

圏央道が開通する前の話です。

その際、名水で知られる白州道の駅に立ち寄り、

たっぷりの休憩と、ハーブ苗を求めるのが楽しみでした。

今では遠い昔の思い出となりました。

畑のベルガモットは、その中の一本です。



通りすがりの上田の種苗店で見つけたヤマイモ、

近所の園芸店で求めた三つ葉、ネギ、ラッキョウ等、

畑には多年性の野菜が他にも色々あります。

収穫後、あらぬ場所からおまけのように

ひょっこり芽を出すジャガイモ、サトイモも

多年性植物ですね。


団粒構造が発達し、一年中水遣りが要らない。

微生物のおかげで自然に養分循環がなされている。

そして特別な場合を除き、不耕起。

植物自身も年月をかけ、畑の生態系によく馴染み、

根が深くしっかりと下ろされる。

このようにして、炭素循環農法の家庭菜園は、

放っておいても絶えることがない多年性植物の

パラダイスになります。




むかごがこぼれ落ちて、放っておけば、必ずジャングル化するヤマイモ。
落ちて散らばったむかごを拾い取ることは、めんどうでも欠かせません。
食べてしまえば、よいのです。



一つの畝でずっと連作をするため、前回の取り残しがあちらこちらから芽を出すジャガイモ。
今年は、男爵です。



ジャガイモと同じく、10年連作のサトイモ。
今年、種イモに大小のばらつきがあったため、地上部にもその違いが歴然。