2020年2月19日水曜日

有害線虫とマリーゴールド








昨年、「4分間のマリーゴールド」というテレビドラマが

放映されました。若者向けのラブストーリーのようで、

私は見ることは無かったのですが、

タイトルに使われた花の名前が妙に新鮮に響き、

心が惹かれました。


観賞用草花として人気があり、初夏から晩秋まで周囲を

美しく彩ってくれるマリーゴールド。

実は、この花には、農作物にとっての有害線虫、

その密度を抑制する対抗植物としての

実用的な役割があります。



というのも、私の畑では、ここ数年、通路に面した畑の一角で

直播のオクラを連作していて、

そのオクラの生育が昨年、一昨年とよくない。

背丈の伸びが悪く、結果として実の収量が少ないのです。



実は、このような現象は、わが家の区画に限らないようで、

周囲の施肥栽培区画からも

「最近、オクラの背が伸びないねえ。」といった声が

聞こえていました。

それで、昨夏、何気なく、ネットで調べてみたのですが、

その結果は、まさかの線虫被害が疑われました。

実は、炭素循環農法のHPに、土壌線虫の害について

書かれているのを見たことは無く、

土壌線虫は分解者の一種、

うかつにもその有害性を心配したことなど

まるで無く、ここまで来たのです。



調べてみると、植物寄生性の有害線虫に対し、

石灰窒素を含め、農薬も各種あるようです。

しかし、もちろんのこと、様々な理由で

それらを使いたくありませんし、

農薬の効果自体、一時的なものが多いようです。


結局、私は、7月下旬の園芸店で

フレンチマリーゴールドの苗を数株求め、

くだんの箇所で生育中の、

いまだ幼苗かに見えるオクラの根本近く、

左右に植えてみることにしました。










さらに、すでに
園芸店の倉庫に戻されていた

種も一袋出してもらい、それは、別の場所にでしたが、

遅まきながら播種し、いとも簡単に育ってくれたのには

いささか驚きました。



おかげで、私の畑は、色や形の異なる、

三種のフレンチマリーゴールドで明るく華やぎ、

作業する楽しみも増えました。しかし、

当時、その場所ですでに生育途中であった本命のオクラに、

マリーゴールドの抑制効果は、明らかには見られず、

結局、昨夏もまた、オクラの背は低いままで終わりました。








それでは、昨年、遅まきながら、畑の一角に

マリーゴールドを導入したのは、無駄だったのかというと、

それは、そうではなく、

咲き続けるマリーゴールドは残したまま、

生育不良だったオクラの跡地に播種した打木源助大根は、

下の写真にみるように、

問題のない生育ぶりを見せてくれたのです。




マリーゴールドが植わったオクラの跡地に9月28日に播種した打木源助大根



収穫まじかの問題のない生育ぶり



そして、以下は、マリーゴールドの有効性を示す

分かりやすい比較になると思います。

30センチ~40センチほど離れた隣に

根本近くにマリーゴールドを全く植えなかった

もう一本のオクラがありました。

そのオクラの跡地に同様に播種した打木源助大根は、

発芽後しばらくして、摘花したマリーゴールドの花を

申し訳のように軽くすき込みましたが、

最後まで、写真の状態、生育不良のまま終わりました。








以上のことから、次のことが明らかです。

昨年の7月下旬、思い立って

遅まきながら植えたマリーゴールドの苗は、

当時生育中のオクラについては、有害線虫抑制の有効性を

明らかに見せることに至りませんでした。

しかし、その次作、

9月28日に播種した打木源助大根については、

線虫密度抑制のための対抗植物として

十分な有効性を示しました。