先述の『有機畑の生態系~家庭菜園を始めよう』の中で、
三井和子さんは、小松菜の例を挙げ、
同じ炭酸ガスの発芽の際の弊害についても
明解に分析されています。
三井和子さんは、小松菜の例を挙げ、
同じ炭酸ガスの発芽の際の弊害についても
明解に分析されています。
畝に堆肥を入れて種をまき、発芽がきれいに揃ったところに雨が降った。
数日後に行ってみると、畝の上には何もない。~。土の中の微生物の吐き出す
炭酸ガスのせいだったということは、ずっと後になってから分かった。
堆肥をすきこんですぐに種を播いて、発芽したところに雨が降り、
土に水分が補給された。土壌微生物は
土の孔隙の六十~八十%が水で満たされたとき、もっとも活発になるという。
「待っていました!」とばかり細菌やカビが、施したばかりの堆肥を分解して
増殖を始めた。そのため、呼吸で吐き出す炭酸ガスの量が急激にふえて、
土壌の孔隙を充満させた。コマツナの根は酸欠状態で
呼吸困難に陥って枯死し、細菌やカビが増殖時に出す熱と雨水で
溶けてきえてしまったというわけである(82~83頁)
発芽の際の生育阻害については、私もまた、
これまでに何回も失敗を繰り返しています。
今年、3月から4月にかけて播種したビーツ、赤カブ、
それと、全くの素人でも簡単な二十日大根さえ、
種は、新鮮であったにもかかわらず、
播種直前の少量の発酵チップの投入と、
天候不順からだったのでしょうか、育ちませんでした。
区画の隅のやせた畝に播種したルッコラは、
やはり、播種直前に投入した発酵チップのせいで
炭酸ガスによる生育阻害を受けたのかもしれません。
しかし、そのことだけにとどまらず、
早々とトウ立ちしてしまったのは、微生物が増殖する際、
土の中の窒素もとられてしまったせいなのでしょうか。
三井和子さんが言われるように、
土の中の微生物の作用は、私たちの目に見えないから、怖い。
結果としての地上部分の生育状態を
注意深く観察し続けることだけが
注意深く観察し続けることだけが
当面、問題を解くカギになるということなのでしょう。
ところで、梅雨の最中、既存の畝に、新たな炭素資材の
投入無しで播種したキュウリ、つるむらさき、
ルッコラ、ヒャクニチソウは、無事発芽を遂げ、
何事もなく順調に育っています。
赤紫蘇の芽だしは、遅れているようですが。