2019年7月4日木曜日

炭酸ガスと微生物 過ぎたるはなお及ばざるがごとし(2)



先述の『有機畑の生態系~家庭菜園を始めよう』の中で、

三井和子さんは、小松菜の例を挙げ、

同じ炭酸ガスの発芽の際の弊害についても

明解に分析されています。



畝に堆肥を入れて種をまき、発芽がきれいに揃ったところに雨が降った。
数日後に行ってみると、畝の上には何もない。~。土の中の微生物の吐き出す
     炭酸ガスのせいだったということは、ずっと後になってから分かった。
堆肥をすきこんですぐに種を播いて、発芽したところに雨が降り、
土に水分が補給された。土壌微生物は
土の孔隙の六十~八十%が水で満たされたとき、もっとも活発になるという。
 「待っていました!」とばかり細菌やカビが、施したばかりの堆肥を分解して
増殖を始めた。そのため、呼吸で吐き出す炭酸ガスの量が急激にふえて、
土壌の孔隙を充満させた。コマツナの根は酸欠状態で
呼吸困難に陥って枯死し、細菌やカビが増殖時に出す熱と雨水で
   溶けてきえてしまったというわけである(82~83頁)

 


発芽の際の生育阻害については、私もまた、

これまでに何回も失敗を繰り返しています。

今年、3月から4月にかけて播種したビーツ、赤カブ、

それと、全くの素人でも簡単な二十日大根さえ、

種は、新鮮であったにもかかわらず、

播種直前の少量の発酵チップの投入と、

天候不順からだったのでしょうか、育ちませんでした。


区画の隅のやせた畝に播種したルッコラは、

やはり、播種直前に投入した発酵チップのせいで

炭酸ガスによる生育阻害を受けたのかもしれません。

しかし、そのことだけにとどまらず、

早々とトウ立ちしてしまったのは、微生物が増殖する際、

土の中の窒素もとられてしまったせいなのでしょうか。


三井和子さんが言われるように、

土の中の微生物の作用は、私たちの目に見えないから、怖い。

結果としての地上部分の生育状態を

注意深く観察し続けることだけが

当面、問題を解くカギになるということなのでしょう。


ところで、梅雨の最中、既存の畝に、新たな炭素資材の

投入無しで播種したキュウリ、つるむらさき、

ルッコラ、ヒャクニチソウは、無事発芽を遂げ、

何事もなく順調に育っています。

赤紫蘇の芽だしは、遅れているようですが。