2018年8月14日火曜日

家庭菜園の無肥料・無農薬、炭素循環農法のトマト






2、3日に一度の収穫でかごが一杯になります。黄色のフットボール型ミニトマト、
アイコは、今年、苗を買っていないので、去年のものからの自然生えです。


トマトの生まれ故郷は、南米アンデス山脈の西斜面沿い、
ペルー、エクアドル、ボリビアにかけての
標高2500m 前後、
乾いた風が吹く高原地帯だそうです。

そのペルーの首都リマは、
年間を通してほとんど降雨がなく、
東京の年間平均降水量(1981~2010)は、
1,528ミリ程度ですから、
気候風土の違いが分かります。 
トマトを作る環境としては、
乾いた空気、十分な太陽の光、
水分を極力抑えた土壌が
適しているということになります。

歴史的には、アンデス山脈の高原から    
中米メキシコなどに伝えられ、
品種改良され、それが、
現在の食用トマトの原型となりました。

16世紀、アステカ帝国、
現在のメキシコの人々が使っていた
「トマトゥル」が「トマト」の語源で、
「ふくらむ果実」という意味だそうです。

中米からヨーロッパに持ち帰えられたトマトが、
日本に最初に伝わったのは、17世紀なかば、
1670年ごろ、
長崎に伝来したと考えられています。
当時、「唐なすび」と呼ばれていたそうですから、
中国経由で入ってきたようです。

以来、日本の気候風土に合うよう、
品種改良を重ねてきたせいか、
高温多湿の横浜の家庭菜園、露地の高畝で、
ミニトマトは、無施肥への転換初期から、
どの品種もたやすく育っています。

大玉は、ミニより養分要求度が高いのでしょうか、
実成りが良くなるのに、2年ほどかかりました。
炭素循環土壌への移行と時間的に一致します。



2018年のピンク系「桃太郎」



2018年の「桃太郎ゴールド」。ピンク系「桃太郎」と比較すると、
肉質が緻密、酸味、甘味ともにマイルド。我が家の畑では、
こちらのほうが、実成りが多少良いように思います。


野菜は、良い種から自家栽培するのが
理想だとは思いますが、畑の野菜全てを種から育てる、
そこまでの時間的余裕、設備、技術を考えると、
大変です。
そこで、夏野菜のトマト、キュウリ、ナスなどは、
比較的信頼できる園芸店で求めた施肥苗を使用します。
接木苗は使いません。自根苗を使います。

今年、大玉トマトは、
「桃太郎」系2種を買い求めましたが、
「桃太郎」トマトシリーズは、
日本のトマトシェア約70%を占めるそうです。

直播のできる種は、できるだけ、固有種、在来種を
使用したいと思いますから、
我が家の畑のスタイルは、今のところ、
無理のない程度での折衷案です。

さて、下は、トマトと同時期に購入した同じナス科、
ズッキーニの移植後しばらくしての写真です。



ズッキーニ


ズッキーニに限らず、
施肥・水やり栽培の
ポット苗をたんじゅん土壌に移植すると、

双葉の次に出てくる最初の本葉1、2枚に
虫害が出ますが、苗にとっての
土壌環境の急激な変化からくる一時的現象で、
不思議ではありません。

むしろ不思議なのは、これまでのところ、
トマト苗に、一切、その現象が見られないことです。
肥料っけのない、
水はけのよいたんじゅん土壌のほうが

原産地のそれに近いのか、
トマトの葉茎に含まれる野菜毒のせいなのか、

理由は、分かりません。




自然生えミニトマトの実

また話は変わりますが、炭素資材を土に混ぜる作業以外、
不耕起の、我が家の家庭菜園では、夏、樹上で完熟し、
地面に落ちたF1種の実の種が、翌年発芽するという
自然生えのミニトマトが出現し、役に立ってくれます。
ミニトマトは、実の数が多いから、種の数も多い。
生き残るチャンスが多いということになりますね。

畑では、今年も10数本があちこちから発芽し、
その後、元気に成長している姿を見ると、
単純に考えて、我が家のような家庭菜園では、
品種にこだわらなければ、来年のため、
自家採取する必要がないということになります。