2018年7月11日水曜日

野菜の「苦味」にについて


梅雨が明けた7 月の畑では、
今年また、群れを広げたオレガノのピンク花が
風に気持ちよさそうに揺れています。





oregano。ヨーロッパの地中海沿岸地方が原産。
しそ科の多年草。





毎年お仏壇用にと
種から育てる百日草の色とりどりの花も咲き始め、
それらは、薔薇が終わった畑の鮮やかな彩りです。




百日草、別名ジニア。キク科の一年草。6月~10月まで咲き続け、
止むことがないので、切り花に重宝します。





花の色、形状の異なる百日草の種が一袋の中に混じっていて
この茎にはどのような花が咲くのかしらとワクワクして楽しい。



ところで、発芽に時間がかかり、
一株だけ畑に残ったサニーレタスは、
日照時間が長くなったこと、気温が上昇したことなどから、
葉を茂らす以前に茎が伸びてしまい、
とう立ちしかけていました。







私は、作業の合間、その一株のレタスが気になっていましたが、
一昨日、とうとう根から抜き取り、家に持ち帰りました。

夕食の支度をしながら、少し口に入れてみると、
とう立ちしたレタスの葉には、ほんのり苦味が出ていました。

一般的に、「苦味」成分は、
植物が、自身を外敵から守り、
子孫を残すために作りだす微量の毒素、
自然界に昔から存在するものと考えられています。

とう立ちしかけたサニーレタスの葉の「苦み」も
種子を残すための自己防衛の現れなのでしょうか。

人間に限らず、多くの動物は、
苦味」を毒のあるものとして認識するそうです。

例えば、私たちがホウレンソウを茹で、
おひたしにして食べるのも、先人から受け継いだ知恵、
一種の「毒消し」として行っているのですね。


このことと関係して、興味深く思うのは、
先日の日本大学生物資源科学部市民講座での内容です。

それは、少し専門的な話になりますが、
毒性化合物の摂取を避けるための反応を、
専門用語では「刺激」と呼ぶそうです。

そして、
その「刺激」を感じることができる最も低い濃度のことを
「閾値(いきち)」と言うそうです。

さらに、五つの基本味、
甘味」、「旨味」、「苦味」、「塩味」、「酸味」の中では、
「苦味」の「閾値」が最も低いそうです。
そのおかげで、私たちは「苦味」に対して敏感となり、
毒物摂取の危険が避けられるということになります。

以上のように考えると、
子供たちが「苦味」のあるピーマン、
ゴーヤなどを食べたがらないのも、
毒物摂取の危険から逃れ、子孫を残すための
本能的な、本来、正しい行動ということになりますね。





2016年に畑で栽培した白ゴーヤ。緑の葉に囲まれて深窓の令嬢のような雰囲気。
一般的な緑色のゴーヤより苦みが少なく、ビタミンcが豊富といわれています。
火を通さなくてもサラダに入れて食べられます。