2017年7月29日土曜日

無肥料・無農薬・水やり要らずの葡萄(1)

無施肥、無農薬、水やり要らずの葡萄(1)







畑の正面に向かって右奥にセージの群落があります。
横浜のサカタのタネで小さなポットの苗を買い、
10年近く、青い花のハーブと呼んでいましたが、


今回、改めて調べると、
正式名は、Guarantica Sage だそうです。
南米ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンなどが原産地で、
シソ科の多年草。
その花言葉は、「信じる力」、
目に飛び込んでくる花色の青の強さと良くマッチしています。
ドライフラワーにすることもできると知りましたが、
この美しい青は、きれいに残ってくれるのでしょうか。




Guarantica Sage


セージのそのまた奥、
西側の崖に面して我が家の葡萄棚があります。

この季節、
その棚の向かって左側にナイアガラ、
右側にデラウエアの房が豊かに実っているのは、
菜園の魅力的な風景です。





 Niagara




Delaware





ネットで簡単に調べると、葡萄の歴史は、
紀元前8000年、
西アジアの初期農耕文化まで遡ることができるようです。

一番古いものとしては、現在のヨルダン、
当時のシリアの遺跡から発見されているそうです。
それから何千年も後の紀元前3500年頃、
チグリス川とユーフラテス川の間に栄えた
メソポタミア文明のシュメール人が、
楔文字(くさびもじ)を使い、
「葡萄の実が垂れ下がっていて青葉が付いているのを眺めるのは
心地よかった。」と書いているそうです。
それが、”葡萄” という言葉の使用された
一番古い記録だそうですが、
その内容のみずみずしさに心が動きます。

ふっと、以前、私が所属していた薔薇会の会員女性が、
薔薇の根元の草取りの作業中、
「キッチンの窓から葡萄の葉を眺めるのって、素敵よ。」
と教えてくれた記憶が鮮やかに蘇りました。

葡萄は、気の遠くなるほどの長い時間
人間の生活の中で大切にされ、
親しまれて来た果樹なのですね。

そして、
紀元前3500年前に生きていた人も、
今現在を生きている人も、
葡萄の房や葉を見ると、素敵と感じる、
その感性が全く変わらないという事実に
胸を突かれました

葡萄の歴史と私たち人間の歴史、
身体に刻まれた記憶としかいいようのない
この変わらない感性は、一体どこから来るのでしょう。




 Niagara




ナイアガラが実る棚の前には、
3年前に2本増やして5本になったブルーベリーが
色とりどりの実をつけて、
これもまた、収穫を待っています。





blueberry


ところで、今年、スイカが受粉する6月初旬
なぜか私は気ぜわしい日々を過ごしていました。



位置を変える際ついた炭素循環農法畑の細かい砂のような土が
スイカに。


それで、
受粉から40日という正確な収穫時期が同定できず、
菜園の仲間や大家さんに、
少し早いんじゃないかと心配されながら
それでも家に持ち帰ったスイカは、



water melon



半分に切ってみると、
上の写真のとおり、確かに早かったようです。

ところが、
この早どりスイカの微かに甘いみずみずしさは、
かえって、
炭素循環農法の土壌で浄化され、
果実に十分に吸収された
水分のまろやかさを純粋に喉に伝えてくれました。
そして、白い皮の部分までスプーンがすっと入る、
幸せの味がしました。