2017年7月4日火曜日

無肥料、無農薬、水やり要らずの花々(1)






日本語には、「晴耕雨読」という四字熟語がありますね。
ネットで簡単に調べると、
その意は、晴れた日には田畑を耕し、
雨の日には家で読書することとあり、
これは、そのままですが、つまり、
世間の煩わしさを離れ、自由気ままに生活することで、
悠々自適、自然のままに生きる様をいうとあります。

それで、我が身を振り返ると、残念ながら、
雨の日は、戸棚の片づけ、引き出しの整理、
トイレの掃除などなど、
普段見て見ないふりをしている家事に
少しでも時間をさかなければ、
生活が回って行かない、悠々自適とは程遠い有様です。

それはさておきですが、梅雨の最中、
畑では、美しい花々が農作業の間の目を惹きます。

ダリア。

原産地がメキシコの高原ということで、暑さに弱く、
日本では東北・北海道など高冷地のほうが、
色鮮やかなよい花が咲く
などと書かれているのを見かけますが、
改良が進んだせいもあるのでしょうか、
関東地方南部の無施肥、無農薬、水やりなしの畑で、
シーズン中、30~40の大輪、
ピンクの色鮮やかな美しい花を次々と咲かせ、
元植木職人の畑の大家さんを
「まだまだ咲くよ。」と見るたびあきれさせています。














これまで全く気が付きませんでしたが、
ダリアはキク科の植物で食用菊同様、
その花や葉をサラダや酢の物などの飾りとしたり、
食することもできるそうです。


宿根カスミソウ。


5、6年前に、地域の農協で見つけた、
一本の小さなカスミソウの苗ですが、
今、その直径は、ゆうに1メートルを超えています。

畝間の通路に花がはみ出し、
気をとられて周辺の農作業の効率を著しく低下させますが、
この一株全体が無数の星の集まり、
畑の中に一つの宇宙が存在するかのように感じさせられる
不思議な魅力です。

今では、毎年、花の季節が待ち遠しく、

農家が、この宿根の苗をわずかでも出荷したかった気持ちが
伝わるような気がします。

















畳2畳ほどの広がりを見せるミソハギ。


この花の分布が、
日本及び朝鮮半島であるということを知ると、
愛着が増します。

湿地を好む性格があると言われますが、
畑の、傾斜の一番低い所に
毎年気持ちよく咲いているのが納得できます。

地下茎を伸ばし、いくらでも増えますから、
放っておくと、
かなりの面積をこの花にとられてしまいます。

しかし、その咲き始めの一本の、鮮やかな赤紫には、
この花がこの畑に咲く意義、強いインパクトがあり、
毎年、
ああ、ミソハギが今年もまた咲いたと心が動きます。





















アナベル。


北米原産の白あじさいですが、
大部の以前に、NHKの「趣味の園芸」という番組で、
兵庫県の西宮市にある個人の庭に
大量に咲いているのが紹介されました。
私にとって、その時が、この花を見た初めての経験です。

その後、群馬県四万温泉に母をつれ、車で旅行した際、

全く意外な場所、山の中に
ひっそりと自生しているかに咲いているアナベルをみて
どのような人が植えて行ったたのだろうと
訝しく思ったことがあります。

長い間憧れていましたが、7、8年前に、思いがけず、
都心の品川からもらってきた念願の一本を差し芽し、
ポットに根付かせました。

その後、畑に移植しましたが、
畑との相性が抜群だったようで、
今では、畳3畳分ほどを埋めつくす旺盛な成長ぶりで、
ランドマークです。

このあじさいは、蕾の時に薄緑色、満開になると純白、
花の終わりにまた薄緑色になり、
時間の流れに沿った色の変化を楽しめます。






















花の持ち味は、細く長い首、
その先の重たげな花が風に揺れる危なかしさにあると
私は思うのですが、
元気に育ちすぎた畑のアナベルから、
花本来の儚い風情は、うかがい知ることもできません。








神戸の 六甲山にある高山植物園が
このあじさいに詳しいと聞いています。