2018年7月28日土曜日

ブータンのトウガラシ


ブータンの人々にとって、
トウガラシのない料理など考えられない
と言われるほど、
トウガラシは身近な存在のようです。
辛いけれど、旨味があり、おいしいそうです。


近年、余裕のある家は、
屋根材をトタンに替えるようになりました。
その結果、
トウガラシを屋根に干すことは少なくなり、
下の写真のように窓に吊るす干し方が増えてきました。
伝統建築と相まって、
なんとも美しい色彩の風景です。



画像に含まれている可能性があるもの:画面、室内




伝統的な干し方は、松材などの屋根の上ででした。
そして、西岡さんご夫妻が赴任された当時から、
ブータンのトウガラシ畑には、
素晴らしいものがあったそうです。






ところで、韓国の人々にとっても
トウガラシは、日本人の想像を超える身近な存在で、
韓国料理になくてはならないものの一つです。
愛着やこだわりも強く、
唐辛子にまつわることわざは、いくつもあるようです。


その中でもよく使われるものに、「唐辛子は小さくても辛い」
(コチュヌン チャガド メプタ )があります。
その意味は、日本のことわざ、
「山椒は小粒でぴりりと辛い」に通じます。
「外見は小さくても才気あふれる優れた人や、
性能のよいもの」を例えて言うそうです。


つまり、韓国でも日本でも、
トウガラシは、薬味香辛料の一つですね。
しかし、下の写真を見ると分かるように、ブータンでは、
トウガラシは、香辛料というより
フレッシュな野菜として売られ、調理されています。



野菜市場の青トウガラシ。並べられたどの野菜よりも量が多いのが分かります。
売り出しの頃は、値段が高いけれど、次第に安くなるそうです。
写真は、西岡里子さんから。


大使のホームパーティーで撮られた料理。写真で見る限り、たっぷりの
トウガラシは、まさに野菜の風格です。
写真は、西岡里子さんから。



ブータンでは、トコロテン式の道具で
簡単にそばをつくるそうですが、
乳製品を多用する習慣があり、
茹でたそばにバターを落とし、混ぜるという
食べ方だそうです



写真は、西岡里子さんから。


写真は、西岡里子さんから。




エマ・ダツィと呼ばれるブータンの代表的料理も
トウガラシと
油性分の多いチーズとの煮込み料理です。



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写真は、”Travel Note”から借用しました。




市場で売られているチーズ。写真は、西岡里子さんから。



二つの料理のいづれも、トウガラシを
 油成分でコーテイングしていますから、
少しは辛味が和らぐのでしょうが、それでも辛いそうです。

おそばを食べるときは、トウガラシを避け、
周りのおそばだけ食べても、十分に辛いそうです。


現地では、辛味を和らげるために、
下の写真、右側の白っぽいトウガラシのように
茹でてから干すという方法もとられているようです。



写真は、西岡里子さんから。



後記 

中尾佐助・西岡京治共著として、
『ブータンの花』朝日新聞社、1984年 のち北海道大学出版会、
また、西岡里子著、西岡京治写真『ブータン神秘の王国』
NTT出版、1998年があります。
ブータンについて詳しくお知りになりたい方に
おすすめです。