2018年6月24日日曜日

無肥料、無農薬、水やりいらずの薔薇 *炭素循環農法の薔薇(その5)






1924年 、ハイブリッド ムスク 、繰り返し咲き 、中香。


葡萄棚の向かって右横に咲く薔薇Penelopeは、

今年、とても綺麗に咲きました。

薔薇の後ろに佇むと、セージ、苺、アナベルと

緑は濃く深く連続し、

見渡す畑は落ち着いた静けさに包まれています。



Penelopeという花の名前は、ギリシャ神話の英雄、

オデッセウスの美しい妻に由来するそうです。

トロイア戦争で行方不明になってから20年もの間、

息子を育てながらひたすら夫の帰りを待ち続けた

芯の通った女性です。



薔薇が咲いていると、つい目がそちらに向かい、

そのことに疲れてしまうこともありますが、

この薔薇の奥ゆかしさ、ふんわりと穏やかに

畑の作業を見守ってくれる雰囲気からは、

ほのかな香りと共に、

作出者の命名へのイメージに共感せざるを得ません。



房咲き、優雅だが強健で育てやすい品種。


白地にアプリコットのぼかしが入った

半八重の浅いカップ咲き、

プラムレッドの蕾の色は、咲き進むにつれ、

淡いピーチピンクから次第に白へと変化します。




返り咲き性。
気候により四季咲きになります。




秋、よく結実するので、ローズヒップも楽しめます。



Penelopeは耐寒性が強いという性質から、

Juliaの成長を見定めたうえの一年後、

弱っていた自宅のポット苗を畑に移しました。

ですから、炭素循環農法の薔薇、第二号です。

この農法での薔薇の移植は、

土壌ができてくれば、至極簡単。

ポットから外した苗に合った大きさの穴を掘り下げ、

その時だけは十分に注水します。

そこに土付きのままの苗をポンと放り込み、

掘り上げた土を埋めもどし、再度の注水は、

薔薇の根と土をなじませるため、

たったそれだけの作業です。



 




今年は横張性を十二分に発揮し、

すでにこの薔薇本来の姿を見せています。



ところで、これまで、薔薇の株元は、風通し良いように

根元を隠すような他の植物など生やさないというのが

定説で、それを信じていました。

ところが、5月13日の炭素循環農法全国交流会の午後、

富山県からのチャーミングな農業の専門家との間で

そのことが話題になった際、

「どのような樹木も株元が日焼けすると木肌が弱り、

その結果、浄化作用としてのカミキリムシの

被害に繋がる。」との指摘を受けました。

それで、今年、我が家の菜園では、

薔薇の株元の細々とした蕗、生育旺盛なドクダミなどを

自然に生やしたままにしています。



十年ほど前に白州道の駅で求めた
Bergamot(たいまつ花)は、
この頃そろそろ終わりの風情。