毎年、9月に入ると、ブロッコリー、カリフラワー、
キャベツ、白菜、サニーレタス等、
秋・冬野菜の苗を植え付けます。
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通常の生育をみせたブロッコリー |
自家採取した種を無施肥の畑に直播し、
苗を育てるのが理想で、また、可能だとは思いますが、
夫婦二人の、消費量もそれほど多くない家庭菜園なので、
簡単が一番、園芸店の施肥苗を買っています。
その為、移植後、無施肥の畑での微生物を介した養分循環が
スムースに始まるまでの少しの間、
急激な環境の変化で一時的に弱った幼苗は、レタスを除き、
虫に食われます。
そして、その食痕が後々まで外葉に残りますが、
虫食いの原因がはっきりしていますし、自家用野菜ですし、
この程度の虫食なら、生育に差し障ることもなく、
気になりません。
施肥苗の無施肥圃場への適応能力は
私達が考えるより遥かに高く、みるみる元気を取り戻すと、
その後の苗の生育は順調のまま、収穫の時期を迎えます。
ブロッコリー、カリフラワーは、
主枝の頂点につくつぼみ、頂花蕾を食べる作物です。
慣行では、リン酸が不足したり、窒素が多すぎたりすると、
茎葉ばかり茂り、肝心の花蕾ができにくくなると
言われています。
実際にそのような畑を目にすることがありますが、
炭素循環農法の我が家の畑では、
ブロッコリーを育てる土壌だからと何するわけでもなく、
放っておくだけで
葉茎とのバランスもよい、しっかりとした花蕾が育ちます。

カリフラワーと異なり、ブロッコリーは、
頂花蕾を収穫した後、わき芽を伸ばします。
その葉のつけ根にできるつぼみ、
側花蕾が、冬から春までの間、
まだ取らせてくれるのと驚くほどの収穫量で
食卓を賑わせ、家計を助けてくれます。

カリフラワーのつぼみに、
葉を被せるなどの日よけをしたことはありませんが、
十分、白肌美人に育ちます。
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写真の黒い点は、チップかすです。 |
ここで、肝心な話に入りますが、
今年、カリフラワーの一部の花蕾に虫がつきました。
これまで経験しなかったことです。
収穫まじかの花蕾の虫食いは、施肥栽培の幼苗移植直後の
虫食いとは、分けて考えなければならない、別物です。
一本は、上の写真にみるように、青虫によるもので、
少しの間、続きましたが、下の写真の時点以降、
花蕾の食痕は広がりませんでした。

同じ時期、隣のもう一本は、ヨトウムシの暴食で
下の写真の状態になりましたが、やはり、これ以上、
花蕾の食痕が広がることはありませんでした。

本筋からそれますが、ヨトウムシ(夜盗虫)は、
その名の通り、日中は土の中や株の地際に潜み、
夜間に活動すると言われています。
しかし、下の写真のヨトウムシは、
晴れた日の午後三時ごろ、カリフラワーの
花蕾のそばで見つけた数匹のうちの一匹です。

二本のカリフラワーに隣接して植えられたブロッコリーの
大きな外葉の一枚には、ヨトウムシの幼齢幼虫による
カスリ状の酷い食痕が広がっています。
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ヨトウムシの幼齢幼虫は、集団で葉裏に潜んでいます。 あっという間にこのような状態になります。 |
下は、同じブロッコリーを別の方向から撮った写真ですが、
我が家の畑で、生きた作物にハエがとまっているのを
私は、初めて見ました。

これらの異常な現象は、畑の通路に面した
一本の畝に限られています。
隣の畝のカリフラワー、ブロッコリー、それに、
同じアブラナ科のキャベツ、白菜は、全く元気です。

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キラキラ光って透明感のある葉の緑です。 |
問題の畝に何かあったのかと振り返れば、
カリフラワー、ブロッコリーの幼苗の移植後、私は、
畑の端でとかく目の行き届かない畝だからとの親心から
それらの根元のごく浅い部分に、
畑にあった菌床化したチップを以前投入した残渣に追加し、
指で土と軽く混ぜたり、薄く土を被せたりしました。
そのことが原因だったのでしょうか。
理由は分かりませんが、問題の畝の土が、ある時点で、
一時、急激な腐敗に傾き、
畝の作物に影響を与えたことが考えられます。
土壌のゆるやかな変化、ゆるやかな進化の過程では、
起こらない現象でしょう。

思いにふけりながら、ふと振り向くと、
畑のさほど遠くない場所に、冬の苺が我関せずの風情で
白い花を咲かせていました。

